俳句らんだむ

                                2025年6月

 

くしゃくしゃの色紙のごと牡丹咲く

大槻一郎

児と作る再生紙より鯉のぼり

中野陽典

アカシアの雨止む街に選挙カー

大河内基夫

初夏湖東和歌譜んじて案内人

堀口千賀子

あをによし牡丹の寺を訪ねけり

福田誠治

梅雨寒の薄き背表紙漱石集

南後勝

遠山の雲を見送り青い葦

日根美惠   

黒穂にも生きる権利と伸ばす首

藤井英之助

茅花流し地震の語り部とつとつと  

冨士原博美

 

重たき影悪しき兆しに黒穂抜く

荒木直幸

夏めくや薩摩切子にレタス盛る

金納義之

葉桜に灯るはひとつ舟溜

河野伊葉

夏みかん皮剥き役は吾ひとり

上原赫

更衣スカートの丈を縫ひあげて

吉川紀子

 

   イラスト:河野伊葉のイラストより 

 

reproduction is prohibited無断転載禁止