2025年1月
飛鳥仏の頬の傷さえ淑気かな
大槻一郎
冬鵙や睡魔は夜毎人に来る
中野陽典
鰭酒や腸に沁み入る法善寺
大河内基夫
川べりに曽良の句碑あり枯柳
上原 赫
冬鵙ややたら嘴動かせて
河野伊葉
大覚寺へ白菜畑続きけり
久下萬眞郎
桟橋の一杭毎の百合鴎
金納義之
庫裡前に白菜の山艶めかし
大河内基夫
等間隔木椅子譲りて冬木立ち
吉川紀子
乗降客無きバス停や枯柳
藤井英之助
捨てきれぬ物をながめて年を超す
鎌田よりこ
煤逃げのがま口膨れをりにけり
久下萬眞郎
イラスト:河野伊葉のイラストより
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